会社設立時の資本金の払込(出資金の履行)についてのまとめ 札幌|はぎわら司法書士法人
2022/01/18
会社設立時の出資金の履行について
お世話になっております。
本日は、会社設立時の出資金の履行(資本金の払い込み)について解説致します。
増資(募集株式の発行)の際も、同様に考えて頂いて構いませんが、今回は会社設立時を想定して解説させて頂きます。
なかなかの長文です。。
※備忘録を兼ねるつもりなので、随時追加していく予定です。
株式会社や合同会社を設立する際、資本金の額を決定して頂き、発起人(設立後に株主となる方)が指定の銀行口座に入金又は振り込みをし、法務局への会社設立登記申請時の添付書類として、通帳のコピーを提出します。
尚、コピーをするページは、下記の3ページです。
①表紙
②1ページ目(取り扱い支店や、口座番号が書いてあるページ)
③出資金が払い込まれた記載のあるページ
よくご質問を頂く疑問点を、箇条書きにて紹介致します。
わかりやすくする為に、資本金の額を100万円とする会社を例とします。
①出資金の履行をするタイミング
定款作成日以降の日付で行う必要があります。
司法書士に依頼をする場合、タイミングについては、司法書士が指示します。
※令和4年6月 13 日付法務省民商第 286 号により、発起人や設立時取締役の口座に払い込まれる等、会社設立
の為に出資されたものと認められる場合は、定款作成日前であっても、認められることになりました。
ただ、株式会社に関する規定なので、合同会社については、従前の通り、定款の作成日以降の日付で、払い
込みを行う必要があります。
②資本金100万円が、残高として100万円以上あれば良いということではなく、一度おろしてから再度ご入金頂く必要があります。
会社設立をする為に、定款作成日以降の日付に、払い込まれたことを証明する必要があるからです。
③出資金の履行後、すぐにお金をおろしても良い
会社設立をする為に、定款作成日以降の日付に、払い込まれたことが証明する為の作業なので、払い込み後すぐに引き出しされた記載ある通帳でも問題なく添付書類として使用できます。
④電子通帳も可
最近では、ネットバンキングを使用する方も多くいます。
また、紙の通帳発行に手数料を取る銀行も出てきております。
会社設立登記の申請の際、上記記載の通り、通帳のコピーを提出しますが、ネット銀行等、紙の通帳を発行していない場合もあると思います。
その場合は、ネットバンキングのページのうち、指定のページをプリントアウトして頂き、法務局に提出します。
具体的には、銀行名、口座番号、預金種別、取扱支店等の記載のあるページですが、金融機関により、書式が異なるので、その都度確認させて頂きます。
⑤個人事業主の屋号入りの口座も可
個人事業主として個人で事業をされている場合、個人名ではなく個人事業主としての屋号入りの銀行口座を使用している方が多くいると思います。
個人事業主から法人化(法人成り)をする場合、個人事業主として使用していた屋号入りの銀行口座の通帳を使用することが出来ます。
ただ、個人事業主としての屋号と、個人名の同一性が確認が出来ない時は使用できない場合があるので、その都度確認させて頂きます。
⑥複数回に分けて払い込みをすることも可
会社設立をする為に、定款作成日以降の日付に、払い込まれたことが証明する為の作業ですので、払い込みを複数回に分けて行って頂いても構いません。
50万、50万と2回に分けることは勿論、32万、18万、20万、30万等でも良く、合計金額が100万円以上であれば問題御座いません。
また、日付が同一でなくても構いません。
⑦資本金の額ジャストで無くても可
定款作成日以降の日付に、会社設立をする為に、払い込まれたことが証明出来れば良いので、100万円ジャストでなくても良く、100万円以上であれば、いくらでも構いません。
⑧出資をしない代表取締役の銀行口座は不可
発起人の口座に払い込みをする必要があるので、出資をしない代表取締役の通帳を使用することは出来ません。
ただ、※授権証明書をを添付すれば、出資をしない代表取締役の銀行口座を使用することも出来ます。
※ざっくり言うと、払い込みを受ける権限を、発起人が代表取締役に委任するような内容の書類です。
⑨第三者の口座を利用することも可
平成29年3月の法務省通達により、可能となりました。
発起人や取締役等が日本に住所を置いていない事が明らかな場合に利用される方法です。
海外からの送金については、現状取り扱いが厳しくなっており、受け取りの為に日本の銀行において、別途書類提出が求められることがあります。
金融機関毎に取り扱いが異なることがあるので、海外から送金をする前に、事前に確認して頂く事をお勧めします。
授権証明書が必要であることは、⑧同様です。
※ただし、会社設立後に、日本で法人名義の口座を作れるかは、金融機関ごとの判断となりますので、別問題です。
⑩通帳に、発起人の名前が出ていなくても可
発起人が複数人いる場合、どなたか一人の代表となる発起人の口座に払い込みをして頂きますが、他の口座から振り込みをして頂くと、振り込んだ発起人からの払込金額と日付が通帳に記載されますが、このように氏名が出ていなくても問題御座いません。
代表する発起人自身は、振り込みでは無く入金(預け入れ)でも構わないので、その場合は、氏名は出てきません。
また、他の発起人から現金を預かって、代わりに払込をする事も許されており、その場合も出資者の氏名は通帳に出てきません。
ただ、この場合でも、日付、金額が確認できれば、そのまま通帳を使用することが出来ます。
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